みなさん、こんにちは。
前回の牛肉の部位(1)はいかがでしたでしょうか?
大寒を過ぎ、寒さも少しずつ緩んできましたが、まだまだ寒い日が続きます。
寒い時には、もつ鍋などの温かい鍋ものを召し上がる方も多いのでは?
そこで、今回は牛肉の部位(2) 内臓、その他副産物編をお届けします。
同じ部位でも人や地域によって呼び方が違うこともありますのでご注意ください。
1.ハツ(心臓)
英語で心臓を表す「ハート」の複数形「ハーツ」が語源と言われています。
筋繊維が細かく、コリコリした食感を楽しめます。
脂肪が少なく、ビタミンB1、Eが豊富。
焼肉、串焼きでよく食べられています。
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2.レバー(肝臓)
炒め物、焼肉などで親しまれるレバー(英語名:liver)は、肝臓のことです。
鉄分、葉酸のほかに、ビタミンA、B2、B6、B12も多く含んでいます。
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3.マメ(腎臓)
牛の腎臓がぶどうの房状であることからついた呼び名。
しこしことした歯ごたえが特徴です。
白いすじを除き、バター焼き・味噌煮込みに。
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4.ミノ(第一胃)
牛の4つの胃の中で最も大きく、肉厚で歯ごたえがあるのがミノ。
英語名はルーメン。
特に厚い部分が「上ミノ」「ミノサンド」と呼ばれていて、焼肉でもおなじみです。
ハチノス(第二胃)
胃の内壁が「蜂の巣」のようにひだ状になっていることから。
コラーゲンが豊富で、いろいろな国で広く食べられています。
イタリア語では「トリッパ」。
5.センマイ(第三胃)
「千枚のひだ」があるように見えることから。
脂肪が少なく、独特のひだの歯ざわりが美味。
タンパク質と鉄分を多く含んでいます。
ギアラ(第四胃)
表面がなめらかで薄く、大きなひだが特徴です。
赤身があるので「アカセンマイ」とも呼ばれています。
脂肪が適度に付いて甘く、食感も歯応えがあり美味です。名前の由来は諸説あり。
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6.ハラミ
横隔膜の腹側で、やわらかくて適度に脂肪がある人気の部位。
赤身肉に見えますが、内臓の一つです。
焼き肉の他、シチュー、カレーなどがおすすめ。
英語名:アウトサイドスカート
7.サガリ
横隔膜の腰椎に近い部分。
ハラミと同様にやわらかいですが、脂肪が少なめで、あっさりとしています。
地域によって「ハラミ」とも「ビワハラミ」とも呼ばれています。
英語名:ハンギングテンダー
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8.白ホルモン/ひも/コプチャン(小腸)
ホルモンの代名詞。脂肪が多く、栄養価が高い部位です。
関西では裂かないものが「マルチョウ」、裂いたものは「コテッチャン」と呼んで区別しています。
9.シマチョウ(大腸)
別称テッチャン。コプチャン(小腸)よりも太くて厚く、食感もかためですが、良質な脂がついています。
焼肉でも人気の部位です。
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以下は畜産副生物として扱っていますが、厳密には臓物ではありません。
10.タン(舌)
ご存知の通り牛の舌。ビタミンA、B2、鉄分、タウリンが多く含まれています。
一頭から約1~1.5kgほどしか取れないため希少部位と言えます。
根元部分は焼肉で、その他はシチューなどの煮物料理で食べられています。
11.ツラミ(ほほ肉)
牛の頬肉の部分「顔(ツラ)の身」。
よく動く部位のため、歯ごたえがあり味が濃厚です。
ゼラチンが豊富でタンパク質も多く含まれていて脂もあり、旨味も感じられます。
赤ワイン煮込みなど煮込み料理と相性抜群。
焼肉では薄くスライスし、両面サッと炙る程度で食べると美味です。
牛スジ(腱)
アキレス腱やスネ、ネック、ハラミなどのスジ肉にあたるお肉。
とても硬くて臭いも強いため、丁寧な下処理と長時間の煮込みが必要ですが、煮込むほどやわらかくおいしくなります。
主におでんの具や牛すじ煮込み、どて煮、どて焼きなどで食べられています。
コラーゲンが豊富。
テール(尾)
牛の尻尾の部分。煮込んでテールスープにすることが大半です。
旨味とコラーゲンの塊なので、煮込めば煮込むほどコラーゲンがゼラチン化!
骨についた肉はトロトロになり、骨と肉から染み出すダシが格別の味わいです。
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次回の「お肉について」は、牛肉の部位(3) 希少部位編をご案内いたします。
お楽しみに~